SMS APIの乗り換え手順
この記事の要点
認証コードを自社で作っているなら、作り直すのは主にSMSを送る部分と、結果を受け取る部分です 工数は、2社の仕様書を見比べて、作りが違う項目がいくつあるかで見積もります 手続きと開発は同時に進め、いまの会社の契約の終わりと解約の連絡の期限から逆算して、準備を始めます 新しく登録する人の認証など一部の送信から始め、届いた割合を比べてから全部を移します
他社のSMS APIから乗り換えるときは、新しい会社での手続き(申し込み・審査・送信元番号の登録)と、自社側のつなぎ直しの開発を同時に進めます。つなぎ直すのは、主に送信の呼び出しと、結果の通知の受け取りです。エラーと再送の扱いや、自社の会員IDとのひも付けも、新しい会社の仕様に合わせて確かめます。切り替えは一度に行わず、一部の送信から新しい会社に移し、結果を比べてから残りを移します。
目次
乗り換えで作り直すもの、そのまま使えるもの
SMS APIの乗り換えで、すべてを作り直すわけではありません。認証コードを自社のシステムで作り、照らし合わせているなら、その部分はそのまま使えます。作り直しになるのは、主にSMSを送る呼び出しと、送った結果を受け取る部分です。
配信会社の認証用の機能を使っている場合は、話が変わります。コードの発行や照らし合わせまで配信会社に任せていると、その部分も新しい会社に合わせて作り直すか、自社で作ることになります。最初に、いまの作りがどちらなのかを開発の担当者に確かめてください。
SMS認証の仕組みそのものは、SMS認証とはにまとめています。
つなぎ直す作業の一覧と、工数の見積もり方
SMS APIの連携をつなぎ直す工数は、いまの配信会社の仕様書と、新しい会社の仕様書を並べて見比べて見積もります。項目ごとに「同じ」「名前だけ違う」「作りが違う」に分けると、どこに手がかかるかが分かります。見比べる項目は、次の5つです。
1. 送信の呼び出し:接続先のURL、認証の方式(IDとパスワード、キーなど)、送る項目の名前、本文の文字数の上限
2. 結果の通知の受け取り:結果が返ってくる仕組み(指定したURLに届くのか、こちらから取りに行くのか)、通知に入る項目、「届いた」「届かなかった」を表す値の名前
3. エラーと再送の扱い:送れなかったときに返る値と、そのときの自社のシステムの動き
4. ひも付けの項目:自社の会員IDなどを送信といっしょに渡し、結果の通知で受け取れるか
5. 接続元の制限:接続できるIPアドレスを絞る設定と、そのための自社側の準備
「名前だけ違う」項目は、置き換えで済みます。手がかかるのは「作りが違う」項目で、特に結果の通知の受け取り方が違うと、受け取る側の処理を作り直すことになります。
開発のほかにかかる手間
開発とは別に、新しい会社での手続きにも日数がかかります。申し込み、審査、送信元番号の登録を経て、使い始められるようになります。手続きの日数は配信会社によって違うので、見積もりのときに聞いておきます。
送信元番号が変わる場合は、利用者への案内も要ります。知らない番号から認証コードが届いたら、受け取った人は身構えますよね。切り替えの前に、新しい番号から届くことを知らせておきます。
認証を止めずに切り替える7つの手順
認証のSMSが止まると、利用者はログインや登録ができなくなります。乗り換えは、次の順番で進めます。
1. いまの使い方を書き出す:月の通数(再送を含む)、使っている機能、いまの会社の契約の終わりと解約の連絡の期限
2. 新しい会社の仕様書をもらい、見比べる:上の5つの項目で、作りが違う項目を洗い出し、開発の工数を見積もる
3. 申し込みと、送信元番号の登録を進める:手続きの日数がかかるので、開発と同時に進める
4. 自社の番号でテストする:開発した部分を、社内の携帯電話番号に送って確かめる。結果の通知が自社のシステムに届き、会員IDとひも付くかまで見る
5. 一部の送信だけを新しい会社に流す:送るたびに、どちらの会社のAPIを呼ぶかを設定で切り替えられる作りにしておく。たとえば新しく登録する人の認証だけを新しい会社から送り、ほかはいまの会社のままにする
6. 結果を比べる:届いた割合、結果の通知が返るまでの時間、利用者からの問い合わせを、いまの会社と並べて見る
7. 残りを移し、いまの会社を解約する:問題がなければ全部の送信を移し、契約の期限に合わせて解約の連絡をする
手順5と6の期間は、どちらの会社にも料金がかかります。その期間の費用も、見積もりの段階で見込んでおきます。
私の考え:配信会社の切り替えは、一部の送信から少しずつ
私は、SMS APIの乗り換えは、一度に全部を切り替えず、一部の送信から移していくべきだと考えています。テストで送れるのは、社内の限られた携帯電話番号です。利用者の携帯電話会社や端末はさまざまで、本番の通数で送ってはじめて分かる違いもあると見ています。
一部の送信だけを移していて、いまの会社との契約も続いているうちなら、問題が出ても影響は一部の利用者で済み、戻すのもどちらの会社から送るかの設定を変えるだけです。全部を一度に切り替えたあとで問題が出ると、戻すまでの間、認証を終えられない利用者が出ます。
ULTIQUE SMSで並行して試す場合
ULTIQUE SMSの場合、初期費用とAPI連携の費用はかかりません。月額の料金は最低利用料金1,000円(100通分込み・税抜)からです。月100通までならこの金額のまま、いまの会社と並行して一部の送信を試せます。通数として料金がかかるのは、送信先に届いたSMSだけです(配信がない月も、最低利用料金1,000円はかかります)。
仕様書を見比べるときに見落としやすい4つの違い
仕様書を見比べると、5つの項目のほかにも見落としやすい違いがあります。特に次の4つは、テストの前に確かめておきます。
- 文字数の上限と数え方:1通に入る文字数と、長い本文を何通として数えるかが、いまの会社と同じか。認証コードの文面が70文字を超えると、1回で2通以上になることがあります。数え方はSMSの文字数と料金の数え方にまとめています
- 送信元の表示:登録した番号が、受け取る人の携帯電話会社によって違う表示にならないか
- 結果の値の名前:「届いた」「届かなかった」「確かめられない」などの状態が、どんな値で返ってくるか。自社のシステムの判定を、新しい値に合わせて直します
- 結果の通知が返るまでの時間:認証コードのSMSはすぐ届いても、結果の通知は遅れて返ることがあります。結果を待ってからコードの入力欄を出す作りになっていないか、確かめてください
届かないときの原因の切り分けは、SMS認証が届かないときに確かめることに書いています。
ULTIQUE SMSのAPIに乗り換える場合
ULTIQUE SMSでは、詳しいAPI仕様書を、お問い合わせいただければお送りします。この記事の5つの項目で、いまの仕様書と見比べてみてください。APIで使う場合に用意していただくのは、送信元の電話番号、接続元のIPアドレス、コールバックURLの3つと、自社側でAPIを呼び出す開発です。
お申し込みから、審査と送信元番号の登録までは最短1週間〜10日です(すべての携帯電話会社で指定の番号を表示する有料オプションを使う場合は、約2週間〜1ヶ月)。これと同時に、自社側のつなぎ直しの開発を進めます。契約期間の縛りや解約金はなく、ご連絡いただいた月の末で契約が終わります。料金の比べ方は、SMS認証の料金とAPIの比べ方にまとめています。APIの仕様は、次のとおりです。
| 項目 | ULTIQUE SMSの場合 |
|---|---|
| 接続方式 | HTTPS(POST)・JSON形式 |
| 認証 | API ID・パスワード(接続元のIPアドレスの制限もできます) |
| 結果の通知 | 送信ごとに指定したURLへ自動で返ります(コールバック)。通常は配信後数秒〜数分で、携帯電話会社の状況によって遅れることがあります |
| 通知の内容 | 配信結果・携帯電話会社・課金の通数など(携帯電話会社は返らない場合があります) |
| ひも付けの項目 | 管理ID+自由項目3つ |
| 宛先・回線 | 日本国内の携帯電話番号。国内網(国内回線)で配信 |
| 本文 | 最大660文字 |
| 送信元 | 固定電話・050番号・フリーダイヤルなど、個人の携帯電話番号以外を登録できます。標準の設定では、受け取る人の携帯電話がSoftBankの場合、「253000」または「253001」と表示されます(すべての携帯電話会社で指定の番号を表示する有料オプションもあります) |
| データの保管 | 日本国内のサーバー(AWS東京リージョン) |
SMS APIの乗り換えのQ&A
乗り換えの工数は、どう見積もればいいですか?
いまの仕様書と新しい会社の仕様書を見比べ、送信の呼び出し、結果の通知、エラーと再送の扱い、ひも付けの項目、接続元の制限の5つで、作りが違う項目を洗い出します。名前だけ違う項目は置き換えで済みます。手がかかるのは作りが違う項目で、特に結果の通知の受け取り方が違う場合です。
結果の通知(コールバック)の受け取り方が違うときは、どこを作り直しますか?
結果を受け取る処理と、届いたかどうかを判定する部分です。指定したURLに届く仕組みか、こちらから取りに行く仕組みかで、受け取る側の作りが変わります。状態を表す値の名前も、新しい会社に合わせて判定を直します。
乗り換えのテストでは、何を確かめればいいですか?
社内の携帯電話番号に送り、SMSが届くこと、結果の通知が自社のシステムに届くこと、会員IDとひも付くことの3つを見ます。そのあと一部の送信だけを本番で新しい会社に流し、届いた割合と通知の時間をいまの会社と比べます。
送信元の番号は、乗り換えると変わりますか?
変わることがあります。配信会社によって、登録できる番号と、受け取る人の画面での表示が違うためです。番号が変わる場合は、新しい番号から認証コードが届くことを、利用者に先に知らせておきます。
乗り換えは、いつから準備を始めればいいですか?
いまの会社の契約の終わりと、解約の連絡の期限から逆算します。新しい会社での手続きと自社の開発のうち長いほうの期間に、一部の送信で試す期間を足した分より前に、見積もりを取り始めます。
次に確かめること
- いまの作りで、認証コードを自社で作っているか、配信会社の機能を使っているか
- いまの配信会社の仕様書(送信・結果の通知・エラーの値)が手元にあるか
- いまの会社の契約の終わりと、解約の連絡の期限
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