SMSの販促と特定電子メール法

公開日:2026/11/05

この記事の要点

総務省は、SMSも特定電子メール法の対象と案内しています。休眠会員への再訪の案内も、広告・宣伝の目的なら対象です 同意は、どの会社からSMSで広告が届くかが分かる画面で取り、時期と方法などを記録に残します 本文には、送信者の正式な名称、配信停止ができること、停止の連絡先を入れます。アプリ名だけでは送信者の表示になりません 認証のために預かった番号に販促を送るなら、個人情報保護法の利用目的と、特定電子メール法の同意を別々に確かめます

SMSの販促と特定電子メール法(同意の取り方・表示義務・配信停止)
喜喜多陽平 / Yohei Kita株式会社FID マーケティング部 リーダー/ULTIQUE SMS 事業責任者無印良品で2年半、TOKYO BASEで2年、小売の現場を経験したのち、株式会社FIDに入社。法人向けSMS配信サービス「ULTIQUE SMS」のセールスとマーケティングを担当し、導入や他社サービスからの乗り換えのご相談を受けています。

会員に送る販促のSMSは、特定電子メール法の対象です。原則として、送ってよいと同意した人にだけ送り、同意の記録を残します。本文には送信者の名称と配信停止の連絡先を入れ、停止の連絡を受けたら、その人には以後送りません。認証のために預かった電話番号を販促に使うときは、個人情報保護法の利用目的に販促のお知らせが入っているかも確かめます。

文面の作り方はSMS販促で送るセール・クーポン告知の文面にまとめています。通信販売の広告にあたるSMSには、特定商取引法の決まりもかかることがあります。個別の判断は、総務省の案内を確かめるか、弁護士などの専門家に相談してください。

SMSも特定電子メール法の対象になる

総務省の特定電子メール法のページには、電話番号を使ってメッセージをやり取りするサービス(例えばSMS)も、特定電子メール法の電子メールの通信方式の一つとされていると書かれています。広告・宣伝のSMSには、メールと同じ決まりがかかります。

総務省・消費者庁の特定電子メールの送信等に関するガイドラインは、商品やサービスの宣伝のほか、営業目的のWebサイトへの誘導が送る目的に含まれるものも、広告・宣伝にあたるとしています。会員向けのSMSに当てはめると、次のとおりです。

会員向けのSMSの例ガイドラインに当てはめた目安
セール・クーポンのお知らせ対象
休眠会員への「ログインはこちら」宣伝のサイトやアプリへの誘導が目的に含まれるなら対象
認証コード、料金の請求広告を含まず、誘導もしないなら対象外
事務連絡に新商品の案内を足したもの対象(配信停止には例外がある)

ガイドラインでは、送信のシステムを提供しているだけの配信会社は、送信者にあたらないとされています。配信会社を使っても、送る内容と相手を決める自社が、同意や表示に責任を持ちます。

販促SMSの同意は、どの会社からSMSで広告が届くかが分かる画面で取る

同意は、会員登録や設定の画面で取ることが多いと思います。ガイドラインに載っている、認められにくい取り方や避けたい取り方は、主に次の3つです。

1. 利用規約の奥に小さく書くだけ:極めて小さい文字や、長くスクロールしないと気づかない場所の記載は、受け取る人が認識できる表示とはいえないとされています

2. 送信者が特定できない:「関連サイト」「姉妹サイト」から届く、という書き方だけでは送信者を特定できません

3. 初めからチェックが入っていて分かりにくい:ガイドラインは、初めからチェックが入っていない形(デフォルトオフ)を勧めています。入れておくなら、外さなければ同意になることと外し方を分かりやすく示します

送る回数が多いサービスでは、どのくらいの頻度で届くかも、同意を取るときに伝えるよう勧められています。画面ができたら、規約を読まない会員でも「どの会社から」「SMSで広告が届く」と分かるかを確かめます。

同意の記録に残すものと、保存する期間

同意を取ったら、記録を残す義務があります。総務省の特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント(以下、法律のポイント)では、残すものを次のように説明しています。

保存期間は、その番号に広告・宣伝を最後に送った日から1か月で、措置命令を受けた場合は1年です。会員向けのサービスなら、同意を取った日時と、どの版の登録画面で取ったかを、古い画面も含めて会員ごとに持っておきます。

本文に入れる表示と、リンク先に置いてよい表示

広告・宣伝のSMSには、表示しなければならない事項(表示義務)があります。置き場所は施行規則で決まっています。

表示する事項置いてよい場所
送信に責任を持つ者の氏名・名称本文の、すぐ気づく場所
配信停止の連絡を受けるURLなど本文の、すぐ気づく場所
配信停止の連絡ができること連絡先のすぐ前か後
住所、苦情・問い合わせの連絡先どこでもよい。リンク先に置くなら、その場所を本文に示す

名称は、送信者の正式な名称でなければなりません。ガイドラインでは、サービス名(「〇〇運営事務局」など)やブランド名だけでは、送信者を表示したことにならないとされています。文面の先頭に【アプリ名】を置く場合も、会社の正式な名称は別に入れます。

本文には名称と停止の案内・URLを入れ、住所や問い合わせ先は停止のページに載せて、そのことを本文に書く形が現実的です。何度もクリックしないとたどり着けない置き方は、ガイドラインで表示として不適当とされています。

配信停止は簡単に受け付け、止めた人には送らない

同意をもらった人でも、配信停止の連絡を受けたら、以後は広告・宣伝のSMSを送れません。受け取る人は、電話番号を示せば、どの方法で停止を伝えてもよいとされています。停止のページでの手続きのほか、問い合わせ窓口に届いた停止の連絡も同じように扱います。

ガイドラインは、手間のかからない停止の方法を勧めています。例えば、受け取る人ごとに違う停止のURLを本文に入れ、開いた画面ですぐ止められるようにする方法です。お知らせの種類ごとに止められる画面なら、全部をまとめて止める設定を置く工夫もあります。受け取る人は「キャンペーンだけ止めたい」のように条件をつけて停止を申し出ることもでき、その場合は条件に当たるSMSを送れなくなります。

受け付けた番号は、販促の送信リストを作る処理で必ず除き、停止の連絡を受けた日時も残します。法律のポイントでも、後から争いにならないよう、停止の記録を取っておくよう案内しています。

認証のために預かった電話番号を販促に使うとき

認証のために登録してもらった電話番号を販促に使うなら、個人情報保護法の利用目的も確かめます。個人情報保護委員会の個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)には、次の考え方があります。

利用目的が「本人確認のため」だけなら、販促に使う前に、目的を変えられる範囲か、本人の同意が要るかを決めます。利用目的に販促のお知らせが入っていても、特定電子メール法の同意を取ったことにはなりません。

私の考え:認証で預かった番号に販促を送るなら、「SMSで受け取る」同意を別に取る

私は、販促のSMSを始めるなら、認証のために預かった番号にそのまま送り始めず、「SMSでお知らせを受け取る」という同意を別に取るべきだと考えています。認証のために番号を入れた会員の多くは、そこに広告が届くとは考えていないと思っています。販促用の同意の欄を別に置けば、その欄で利用目的とSMSで広告が届くことを一緒に説明でき、記録も会員ごとに残せます。

ULTIQUE SMSで販促と認証のSMSを分ける場合

ULTIQUE SMSでは、送信元番号を複数登録し、配信の目的ごとに切り替えられます。認証と販促で送信元番号を分けておけば、登録した番号が表示される携帯電話では、その番号もどちらのSMSかの手がかりになります。APIでは送信ごとに管理IDと自由項目3つを付けて、会員IDと配信結果をひも付けられます。

ULTIQUE SMSで、同意を取った会員に販促を送る場合

ULTIQUE SMSは送信専用で、返信は受け取れません。配信停止は、自社で用意した停止のページや問い合わせ窓口で受け付けます。管理画面のCSVでまとめて送る一括配信・予約配信でも、APIで送る場合でも、停止した会員の番号は送信先から除いておきます。

送信元番号には、固定電話・050番号・フリーダイヤルなど、個人の携帯電話番号以外を登録できます。標準の設定では、SoftBankの携帯電話には「253000」または「253001」と表示されます。送信元番号がどう表示されても、会社の正式な名称は本文に入れます。

料金は送信先に届いた通数だけにかかり、初期費用・月額固定費は0円です。配信がない月も最低利用料金1,000円(100通分込み・税抜)がかかります。データは日本国内のサーバー(AWS東京リージョン)で保管しています。

お申し込みのあと、審査・送信元番号の登録・契約の締結を経て、最短1週間〜10日で使い始められます。契約期間の縛りや解約金はなく、ご連絡いただいた月の末で契約が終わります。

販促SMSの法律と同意のQ&A

SMSにも特定電子メール法は当てはまりますか?

当てはまります。総務省は、電話番号を使って送り合うSMSも、特定電子メール法の電子メールの通信方式の一つとされていると案内しています。広告・宣伝のSMSは、原則として事前に同意した人にだけ送れ、送信者の名称や配信停止の連絡先の表示も要ります。

休眠会員に送る「ログインはこちら」のSMSも、広告・宣伝にあたりますか?

あたる場合があります。特定電子メール法のガイドラインでは、営業目的のWebサイトへの誘導が送る目的に含まれるメールも、広告・宣伝の手段とされています。サービスに戻ってもらうためのSMSは、同意と表示の決まりに沿って送ります。

会員登録の利用規約に書いておけば、販促SMSの同意を取ったことになりますか?

長い規約の途中に「広告のSMSを送ることがあります」と小さく書くだけでは、足りないことがあります。ガイドラインでは、極めて小さい文字や、長くスクロールしないと気づかない場所の記載は、受け取る人が認識できる表示にあたらないとされています。どの会社からSMSで広告が届くかを、登録の画面で示します。

SMS認証のために登録してもらった電話番号に、販促のSMSを送ってもいいですか?

個人情報保護法と特定電子メール法の両方を確かめてからにします。プライバシーポリシーなどの利用目的に販促のお知らせが入っているかを見ます。利用目的に入っていても、SMSで広告を受け取ることへの同意(特定電子メール法の同意)は別に取ります。

SMS配信サービスのシステムを使って送る場合、送信者の表示はどの会社の名前にしますか?

送る内容と相手を決めている自社の正式な名称にします。総務省・消費者庁のガイドラインでは、送信のシステムを提供しているだけの配信会社は、送信者にあたらないとされています。ブランド名やサービス名だけでは、送信者の表示として足りません。

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