SMS認証の導入開発を受託するときの進め方
この記事の要点
要件では、SMSを使う場面、月の通数の見込み(再送を含む)、開発費と月の費用それぞれの予算を聞きます 見積書では、開発費と、月の送信料金の目安を別の行に分けて書きます テストでは、SMSが届くことに加えて、結果の通知がお客様のシステムに届き、会員IDとひも付くかまで見ます 配信会社とお客様が直接契約するか、自社が契約して再販するかは、納める相手の数と、請求を1枚にまとめたいかで選びます
お客様のシステムにSMS認証を導入する開発を受けるときは、最初に、毎月の送信料金をだれが払うかを決めます。開発費は納品までの費用ですが、SMSの料金は送った通数に応じて、納めたあとも毎月かかります。料金を払う人によって、配信会社とお客様が直接契約するか、自社がまとめて契約するかが分かれ、見積書の書き方と納品後の問い合わせの窓口も変わります。
目次
たとえば会員サイトの改修で「ログインにSMS認証を足してほしい」と頼まれたとき、開発費だけの見積書では、翌月から届く送信料金の請求先が決まっていません。この記事では、発注元の会社を「お客様」、SMSを受け取る人を「利用者」と呼びます。
SMS認証の導入で、開発費とは別にかかる毎月の送信料金
受託した会社が作るのは、認証コードを作って照らし合わせる部分と、配信会社のAPIを呼び出してSMSを送る部分です。SMSを送る料金は、納めたあと、利用者が登録やログインをするたびにかかります。
送信料金の請求先は、配信会社とだれが契約するかで決まります。お客様が直接契約すれば請求はお客様に届き、自社がまとめて契約すれば自社に届きます。実装の手順はSMS認証の実装方法、APIの仕組みはSMS API連携とはにまとめています。
要件の聞き方:使う場面・月の通数・予算
要件を聞く打ち合わせでは、次の3つを聞きます。どれも見積もりに使います。
| 聞くこと | 聞き方の例 | 見積もりで使うところ |
|---|---|---|
| 使う場面 | 新規登録、ログイン、パスワードの再設定のどれで送りますか | 開発の範囲と、月の通数 |
| 月の通数の見込み | 月の新規登録とログインは何人くらいですか。ログインは毎回送りますか | 月の送信料金の目安 |
| 予算 | 開発費とは別に、毎月の送信料金はいくらまでなら払えますか | 送る場面の絞り込み |
月の通数は、「場面ごとの月の回数 × 1回の認証で送る通数」に、再送の分を足して見込みます。文面が70文字を超えると、1回で2通以上になります(SMSの文字数と料金の数え方)。
お客様に回数が分からないときは、いまの会員数と月の新規登録の数から、幅を持たせて出します。月の予算が見込みの料金に届かなければ、ログインは毎回ではなく新しい端末からのときだけ送る、といった場面の絞り方を提案します。
見積書へのSMS送信料金の入れ方:3つの払い方
見積書では、開発費と月の送信料金を分けて書きます。送信料金は通数で変わるため、「月〇通の見込みで〇円」という目安と単価の数え方を並べます。従量の費用をだれが払うかで、書き方は3つに分かれます。
| 払い方 | 見積書の書き方 | 通数が見込みより増えたとき |
|---|---|---|
| お客様が配信会社に直接払う | 開発費を書き、配信会社の料金表と月の目安を参考に添える | お客様への請求が増える |
| 自社が払い、使った分をお客様に請求する | 開発費と、「通数 × 単価」の請求の決まりを書く | 自社への請求とお客様への請求が増える |
| 自社が払い、保守の月額に含める | 開発費と、含む通数を決めた月額を書く | 含む通数を超えた分を、だれが払うかの決まりが要る |
3つ目は、お客様には月の金額が見通しやすい払い方です。そのかわり通数が増えた月の差を自社が負いやすいため、含む通数と超えたときの単価を契約書に書いておきます。
配信会社の料金表で、1通の単価のほかに、届かなかったSMSにも料金がかかるか、月の最低料金があるかを確かめます。比べ方はSMS認証の料金とAPIの比べ方にあります。
配信会社の契約:お客様が直接契約するか、自社がまとめて再販するか
2つ目と3つ目の払い方では、自社が配信会社と契約し、お客様にSMSの送信を提供します。この形を「再販」、1つ目のようにお客様に直接契約してもらう形を「紹介」といいます。
| 観点 | お客様が直接契約(紹介) | 自社がまとめて契約(再販) |
|---|---|---|
| 配信会社と契約する会社 | お客様 | 自社 |
| 送信料金の請求 | 配信会社からお客様へ | 配信会社から自社へ、自社からお客様へ |
| 申し込みの審査を受ける会社 | お客様 | 自社(お客様ごとに確かめる配信会社もある) |
| APIの情報の名義 | お客様 | 自社 |
| 届かないときの相談先 | 配信会社 | 自社か配信会社か、取り決めによる |
お客様が1社で、配信会社に直接払ってもらえるなら、直接契約のほうが自社の手間は少なく済みます。同じシステムを複数のお客様に納めていて、システムとSMSの請求を1枚にまとめたいなら、再販が合います。違いはSMS代理店の「紹介」と「再販」の違いにあります。
直接契約でも、開発の間はAPIの情報をお客様から預かります。納品のときに、パスワードを変えてもらうかを決めておきます。
私の考え:SMSの送信料金の行がない見積書は出さない
私は、SMS認証の見積書には、直接契約で自社に請求が来ない形でも、開発費と同じ紙に送信料金の目安の行を入れるべきだと考えています。送信料金は、利用者が増えるほど毎月ふくらみます。お客様が社内で予算を通すときに送信料金が抜けていると、納めたあとに予算を取り直すことになりかねないと見ています。
ULTIQUE SMSで送信料金の目安を出す場合
ULTIQUE SMSの場合、初期費用とAPI連携の費用はかかりません。月の料金は最低利用料金1,000円(100通分込み・税抜)からで、101通からは月の通数で1通の単価が決まり、その月に送ったすべての通数に適用されます。
| 月の通数 | 1通あたり(税抜) |
|---|---|
| 〜100通 | 月1,000円(最低利用料金) |
| 101〜1,000通 | 10円 |
| 1,001〜5,000通 | 8円 |
| 5,001〜10,000通 | 7円 |
| 10,001〜50,000通 | 6円 |
| 50,001通〜 | 5円 |
たとえば月3,000通なら、3,000通 × 8円で24,000円(税抜)です。料金がかかるのは送信先に届いたSMSだけで、配信がない月も最低利用料金はかかります。
申し込みから納品までの5つの手順
1. 申し込みと送信元番号の登録を、開発と同時に始める:配信会社の手続きには日数がかかります。接続元のIPアドレスの登録が要るなら、APIを呼び出すサーバーのIPアドレスを先に決めます。確かめ方:契約の名義と使い始める日を、日程表に書き入れます
2. 社内の携帯電話番号に送る:SMSが届くこと、結果の通知(コールバック)がお客様のシステムに届くこと、会員IDとひも付くことの3つを見ます。確かめ方:配信会社の送信の記録と、お客様のシステムに届いた通知を見比べます
3. 失敗したときの動きを試す:送れなかったとき、結果が返らないとき、再送が上限に達したときの画面を確かめます。同じ番号に短い間隔で送り続けると、携帯電話会社で迷惑なメッセージと判定され、送れなくなることがあります。確かめ方:再送ボタンを何度か押し、上限で止まるかを見ます
4. 登録が集中する時間の送信の速さを確かめる:登録が集中する日があるなら、1秒あたりに送れる通数を配信会社に聞きます。確かめ方:いちばん多い時間帯の通数の見込みと比べます
5. 設定の一覧と手引きを渡して納品する:送信元番号、接続元のIPアドレス、コールバックURL、再送の上限と有効期限を一覧にします。確かめ方:お客様の担当者が一覧だけで設定の場所を見つけられるか、納品の打ち合わせで見ます
運用中の問い合わせの分け方:利用者・お客様・配信会社
納めたあとの問い合わせは、内容によって答えられる会社が違います。最初に受ける先を、保守の契約に書いておきます。
| 問い合わせ | 最初に見るもの | 答える先の例 |
|---|---|---|
| 利用者から「コードが届かない」 | その番号への配信結果と、入力された電話番号 | お客様のサポート |
| お客様から「送信料金が増えた」 | 場面ごとの通数、再送の回数、見覚えのない番号への送信 | 自社 |
| 送れない、結果が返らない状態が続く | 結果の通知と、配信会社の障害の案内 | 配信会社(再販では取り決めによる) |
| 送る場面を増やしたい、文面を変えたい | 最初の要件と見積もり | 自社 |
届かないときの切り分けはSMS認証が届かないときに確かめること、見覚えのない番号への大量の送信はSMSポンピングとはに書いています。送信の記録を何年さかのぼれるかも、保守の範囲を決める前に確かめます。
ULTIQUE SMSで受託開発をする場合
ULTIQUE SMSのパートナーには、紹介と再販の2つの形があります。紹介なら、お客様がFIDと直接契約し、受託した会社は開発を、FIDは契約とサポートを受け持ちます。
再販なら、お客様は受託した会社(代理店)と契約し、FIDは代理店にAPIを提供して、あらかじめ決めた仕切り値で請求します。再販はAPIでのご利用で、請求の数え方は通常と同じです。お客様ごとの分け方はSMS代理店の「紹介」と「再販」の違いにあります。
再販では、代理店のお客様が1社増えるごとに、FIDが審査します。再販のお客様の問い合わせ先は、FIDのサポート担当でも、代理店の窓口でもかまいません。
認証コードを発行・照合する機能はないため、コードはお客様のシステムの側で作ります。API連携では、セキュリティのため接続元のIPアドレスを登録していただいています。送信の速さは通常1秒あたり約4〜5通で、送信の記録は管理画面とAPIで2年以上さかのぼって検索できます。送信料金の通知機能はなく、ダッシュボードで確認します。
お申し込みから審査と送信元番号の登録までは、最短1週間〜10日です。制度の内容は販売代理店・パートナー募集にあります。条件は、お問い合わせフォームで「代理店・パートナーについて」を選べば、担当者からお伝えします。
SMS認証の導入開発のQ&A
SMS認証の導入開発を受けるとき、最初に何を決めればいいですか?
毎月の送信料金をだれが払うかです。SMSの送信料金は、納めたあとも通数に応じて毎月かかります。払う人によって、配信会社とお客様が直接契約するか、受託した会社がまとめて契約するかと、見積書の書き方が変わります。
SMS認証の月の通数は、どう見込めばいいですか?
「場面ごとの月の回数 × 1回の認証で送る通数」に、再送の分を足して出します。新規登録やログインなど、送る場面ごとに月の回数を聞きます。文面が70文字を超えると、1回の認証で2通以上になります。
SMS認証の送信料金は、見積書にどう書けばいいですか?
開発費とは別の行に、「月〇通の見込みで〇円」という目安と単価の数え方を書きます。保守の月額に含めるなら、含む通数と、超えたときの単価も書きます。
SMS配信会社との契約は、お客様と受託した会社のどちらが結べばいいですか?
お客様が1社で、配信会社に直接払ってもらえるなら、お客様の直接契約(紹介)が手間の少ない形です。同じシステムを複数のお客様に納め、システムとSMSの請求を1枚にまとめたいなら、受託した会社が契約する再販が合います。
納品後に「認証コードが届かない」と言われたら、どこから見ればいいですか?
届かないと言われた電話番号への配信結果からです。結果が「届かなかった」なら、入力された電話番号が正しいかを確かめます。「届いた」なのに利用者が見つけられないなら、端末の受信の設定を案内します。
次に確かめること
- お客様のシステムで、SMS認証を使う場面と、場面ごとの月の回数
- 送信料金を、お客様が配信会社に直接払うか、自社が払ってお客様に請求するか
- 保守の契約に、利用者・お客様・配信会社それぞれからの問い合わせを、最初にだれが受けるかが書けるか
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