SMS代理店の「紹介」と「再販」の違い

公開日:2026/11/05

この記事の要点

紹介はお客様が配信会社と契約し、再販は代理店がお客様と契約して請求も出します 再販では、1つの送信元番号の下でお客様ごとにAPIを分ける形と、お客様ごとに番号を登録する形があります 再販では、売る前に、料金の数え方、問い合わせの窓口、審査、文面の責任の4つを決めておきます 自社のシステムにSMSを組み込み、請求を自社にまとめたいなら再販、そうでなければ紹介から始めます

SMS代理店の「紹介」と「再販」の違い(お客様にSMS配信を提供する前に決めること)
喜喜多陽平 / Yohei Kita株式会社FID マーケティング部 リーダー/ULTIQUE SMS 事業責任者無印良品で2年半、TOKYO BASEで2年、小売の現場を経験したのち、株式会社FIDに入社。法人向けSMS配信サービス「ULTIQUE SMS」のセールスとマーケティングを担当し、導入や他社サービスからの乗り換えのご相談を受けています。

自社のお客様にSMS配信を提供する方法は、「紹介」と「再販」の2つに分かれます。紹介では、お客様が配信会社と直接契約し、請求も配信会社から届きます。再販では、自社がお客様と契約し、自社のサービスの一部としてSMSを届けて、請求も自社から出します。この記事では、配信会社のサービスを紹介・再販する会社を「代理店」と呼びます。

たとえば、Web制作会社がクリニックに予約システムを納め、その中に予約リマインドのSMSを入れるとします。クリニックに配信会社を紹介して直接契約してもらうのか、予約システムの料金にSMSも含めて自社から請求するのか。どちらを選ぶかで、納めたあとの仕事が変わります。

紹介と再販の違い(契約先・請求・窓口・送信の方法)

紹介と再販は、「お客様がだれと契約するか」で分かれます。下の表は、紹介と再販を6つの観点で並べたものです。細かい条件は配信会社ごとに違うため、表の行ごとに確かめてください。

観点紹介再販
お客様の契約先配信会社自社
お客様への請求配信会社から自社から
自社が受け取るもの配信会社からの紹介料お客様からの料金と、配信会社への支払いの差
導入後のお客様の窓口配信会社(制度による)配信会社との取り決めによる
送信の方法お客様が配信会社の管理画面やAPIを使う自社のシステムから、配信会社のAPIで送る
自社の手間紹介まで契約・請求・システム連携・運用

紹介は、手間が少ないかわりに、お客様と契約するのは配信会社です。再販なら、SMSを自社のサービスとして出せます。そのぶん請求は自社の仕事になり、届かないときの相談をだれが受けるかも、配信会社と決めることになります。自社の名前でSMS配信を出す形は、OEMと呼ばれることもあります。

紹介と再販のどちらを選ぶかの決め方

紹介と再販のどちらにするかは、次の4つの問いで決めます。1と2で紹介か再販かの向きが決まり、3と4で、すぐ再販を始められるかが決まります。

1. 自社のシステムにSMSを組み込んで納めるか:予約システムや顧客管理の中からSMSを送るなら、再販が合います。お客様が自分で管理画面から送るだけなら、紹介で足ります

2. 請求を自社にまとめたいか:「システムの請求書は1枚にしてほしい」と言われているなら再販です

3. SMSの問い合わせを、どこまで自社で受けられるか:「届かない」といった相談に、だれが最初に答えるかを考えます

4. 文面を確かめる体制があるか:再販では、お客様が送る文面と宛先を、自社も把握しておきます

1と2が「はい」でも、3と4の体制がまだなければ、紹介から始める順番もあります。窓口と文面の確認の体制ができてから、再販に移ります。

私の考え:再販は、儲けの幅より先に窓口で決める

私は、再販を選ぶかどうかは、再販の差益と紹介料を比べる前に、問い合わせと文面の確認のどこまでを自社で受け持つかを決めてから判断するべきだと考えています。SMSは、届いたかどうかがお客様の売上や予約に直結しやすいものです。「昨日のリマインドが届いていない」と言われたとき、配信結果を見て答えられる人が社内にいないと、問い合わせに使う時間が差額に見合わなくなると見ています。

ULTIQUE SMSで紹介・再販する場合

ULTIQUE SMSでは、紹介と再販のどちらでもパートナーになれます。紹介の場合、お客様はFIDと契約し、ご契約からサポートまでFIDが対応します。紹介したあとに、代理店が行うことはありません。

再販の場合、お客様は代理店と契約します。FIDは代理店にAPIを提供し、あらかじめ決めた仕切り値で代理店に請求します。再販はAPIでのご利用になるため、お客様が管理画面で送りたい場合は紹介になります。

再販でのお客様ごとの分け方:1つの番号でAPIを分けるか、番号を分けるか

再販の相手が2社、3社と増えてくると、送信をどう分けるかを決めることになります。分け方は、1つの送信元番号の下でお客様ごとにAPIを分ける形と、お客様ごとに送信元番号を登録する形の2つです。2つの分け方を、受け取る人から見た違いと自社の手間で比べると、次のようになります。

観点1つの番号でAPIを分けるお客様ごとに番号を登録する
受け取る人の画面に出る番号自社で登録した番号(どのお客様のSMSも同じ)お客様ごとの番号
お客様を増やすときの手間APIを1つ増やすAPIの連携と、送信元番号の申請をお客様ごとに行う
折り返しの電話がかかる先番号の持ち主である自社番号の持ち主であるお客様
本文で気をつけること冒頭に【お客様の名前】を必ず入れるお客様の名前を入れる(番号だけで分かるとは限らない)
向いている場面相手の数が多い、早く始めたいお客様の代表番号から送りたい、折り返しをお客様に受けてほしい

表の「受け取る人の画面に出る番号」は、携帯電話会社や配信会社の設定によって、登録した番号にならないことがあります。その場合は、受け取った人が折り返しの電話をかけられません。

1つの番号でAPIを分ける形では、受け取る人は番号を見ても、どこからのSMSかが分かりません。本文の冒頭に送り主の名前を入れる決まりを、お客様との契約書か運用の手引きに書いておきます。番号を分ける形でも、名前は入れます。

督促のように、折り返しの電話をお客様の側で受けてほしい用途なら、番号を分ける形が合います。督促の文面と番号の考え方は督促SMSの文面と送り方に書いています。

再販を始める前に決める4つのこと

再販では、契約書を交わした日から、お客様への請求が自社の仕事になります。問い合わせを自社と配信会社のどちらが受けるかも含めて、始める前に次の4つを決めておきます。

1. お客様への料金の決め方

お客様への料金は、配信会社からの請求と同じ数え方にそろえます。SMSは本文の文字数で通数が増え、70文字を超えると1人に2通以上として数えられることがあります。「1人に1回〇円」で請求していると、長い文面が増えた月に、仕入れのほうが多くなりかねません。

数え方は、SMSの文字数と料金の数え方にまとめています。届かなかったSMSも数えるか、月の最低料金があるかも、仕入れの条件として確かめます。お客様への料金の形には、通数ごとの単価、月額に一定の通数を含める形、システムの利用料に含める形などがあります。

確かめ方:お客様の実際の文面を1つ選び、文字数から通数を出して、仕入れと請求の両方で計算してみます。

2. サポートの窓口

「届かない」という相談は、宛先の番号の間違い、受け取る人の端末の設定、配信会社の側の問題など、原因がいくつも考えられます。相談を最初に受けるのが自社か配信会社かと、自社で答えられない相談をどこにつなぐかを決めておきます。原因の切り分け方はSMS認証が届かないときに確かめることが参考になります。

確かめ方:配信結果(届いた・届かなかった)を、社内のだれが、どの画面やデータで見られるかを書き出します。

3. 審査

申し込みのときに審査がある配信会社では、再販する自社もその審査を受けます。加えて、どんな用途を引き受けるかという自社の基準も要ります。再販の相手が増えるたびに、配信会社の側で何かを確かめる手続きがあるかも、先に聞いておきます。

確かめ方:引き受けない用途を2〜3つ書き出し、お客様との契約書に入れられるかを法務と確かめます。

4. お客様の文面の責任

会社やお店が広告や宣伝のために送るSMSは、特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)の対象です。法律の「電子メール」には、電話番号を使って携帯電話にメッセージを届ける通信方式が含まれると、総務省令で定められています。原則として受け取る人の事前の同意が要り、送信に責任を持つ人の名前を表示する決まりもあります。

この法律には、送る人(送信者)と、送ることを頼んだ人(送信委託者)が出てきます。頼んだ側が同意の記録を持つなどの業務を受け持っていて、その側に責任があると認められるときは、送った側だけでなく頼んだ側も改善の命令を受けることがあります。再販の形で、自社とお客様のどちらが送信者にあたるかは、契約と運用の中身によって変わります。法務で確かめてください。

確かめ方:お客様との契約書に、同意の取り方と記録、配信停止の受け付け、文面の確認を、だれが受け持つかが書かれているかを見ます。販促の文面の決まりはSMS販促で送るセール・クーポン告知の文面にまとめています。

ULTIQUE SMSで再販を始める場合

ULTIQUE SMSの再販では、基本は、代理店で登録した送信元番号(電話番号)から、お客様のSMSを送信します。1つの番号に対してAPIを複数発行でき、お客様ごとにAPIを分ければ、送信や結果をお客様ごとに分けて扱えます。お客様ごとに番号を発行することもできます。ただし、お客様が増えるたびにAPI連携と番号の申請が必要になるため、1つの番号でAPIを分ける方法をおすすめしています。

標準の設定では、受け取る人の携帯電話がSoftBankの場合、「253000」または「253001」と表示されます。すべての携帯電話会社で登録した番号を表示する有料オプションもあります。

お客様からのお問い合わせは、FIDのサポート担当が直接受けることも、代理店を通して受けることもできます。ご利用のマニュアルもご用意しています。

FIDから代理店への請求の数え方は通常のご利用と同じで、料金がかかるのは届いたSMSだけです。通数は文字数で数え、最低利用料金もかかります。契約期間の縛りや解約金はなく、ご連絡いただいた月の末で契約が終わります。

お客様が増えるたびに、FIDの審査があります。再販は、APIでのご利用と同じ次の6段階でお申し込みいただきます。

1. お申込み

2. 審査・送信元番号の登録申請

3. 契約書の締結

4. アカウント発行・API情報のご連絡

5. システム連携の開発(代理店)

6. ご利用開始

送信元番号の登録は、最短1週間〜10日です。制度の内容は販売代理店・パートナー募集のページにまとめています。お問い合わせフォームで「代理店・パートナーについて」を選んでいただくと、担当者から紹介料・仕切り値などの条件をご案内します。

SMS代理店・再販のQ&A

SMSの代理店は、紹介と再販のどちらで始めればいいですか?

自社のシステムにSMSを組み込んで納め、請求も自社にまとめたいなら再販、そうでなければ紹介です。再販を選ぶ前に、「届かない」という相談と、文面の確認を、どこまで自社で受け持つかを決めておきます。

SMSを再販するとき、お客様ごとに送信元番号を分けるべきですか?

再販の相手が多いなら、1つの送信元番号の下でAPIを分ける形のほうが手間を抑えられます。番号を分けると、相手が増えるたびに番号の申請が要るためです。再販の相手が自社の代表番号から送りたい、折り返しの電話を自社で受けたいといった場合は、お客様ごとに番号を分けます。

再販したSMSの文面に問題があったら、責任はだれにありますか?

契約と運用の中身によって変わります。特定電子メール法では、送信者に加えて、同意の記録などの業務を受け持った送信委託者も、責任があると認められれば改善の命令を受けることがあります。お客様との契約書に、同意の取り方、配信停止の受け付け、文面の確認をだれが受け持つかを書き、法務で確かめます。

SMS再販の、お客様への料金はどう決めればいいですか?

配信会社からの請求の数え方に、お客様への料金をそろえます。SMSは文字数で通数が増えるため、1人に送る回数で請求していると、長い文面の月に赤字になることがあります。

SMSの再販を始めるまでの期間は、何で決まりますか?

配信会社での手続きの期間に、APIの情報が届いてからの接続とテストの期間を足した長さで決まります。手続きは、申し込み・審査・送信元番号の登録・契約の順に進みます。画面や仕様の設計は、手続きの間に進めておけます。

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